- 投稿日:2025年08月03日
- 最終更新日:2025年08月03日
【遺言書の専門家が回答】60歳はまだ早い?遺言書作成の「ベストタイミング」を解説|アルファの相続

「遺言書なんて、まだ早すぎるんじゃないか」「60歳で遺言書を作るのは縁起が悪い気がする」「もっと年を取ってからでも大丈夫でしょう?」
このような遺言書作成のタイミングに関するご質問を、アルファの相続でも数多くお聞きします。確かに、まだ元気で健康な時期に自分の死後について考えるのは、心理的に抵抗があるのも自然なことです。
しかし、遺言書作成には「適切なタイミング」というものがあります。「まだ早い」と先延ばしにしているうちに、作りたくても作れない状況になってしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、「遺言書作成のベストタイミング」について、なぜ60歳を一つの目安とするのか、その理由も含めて相続の専門家として詳しく解説いたします。
【Q】遺言書はいつ作ればいいのでしょうか?60歳ではまだ早すぎるのでしょうか?
【A】60歳は決して早すぎることはありません。むしろ、健康で判断力がしっかりしている今が最適なタイミングです。
法律上は15歳から作成可能ですが、実際の作成時期としては60歳を一つの目安にすることをお勧めしています。「まだ早い」という思い込みよりも、適切な時期に準備を始めることで、より良い相続対策を実現することができます。
60歳を目安とする3つの理由

人生の重要な節目 60歳という年齢は、多くの方にとって重要な節目となります。定年退職を意識し始める時期であり、子どもたちが独立して家族構成が安定し、自分の財産状況がある程度固まってくる時期でもあります。人生の後半戦に向けて、様々な準備を始める自然なタイミングと言えます。
健康で判断力が十分な時期 遺言書は、本人の判断能力がしっかりしている時でないと作成できません。60歳であれば、まだ健康で判断力が十分にあるため、冷静に将来のことを考えることができます。複雑な財産構成や家族関係についても、的確に判断し、適切な内容の遺言書を作成することが可能です。
時間的余裕がある 60歳から始めることで、十分な時間をかけて検討することができます。一度作成した後も、状況の変化に応じて内容を見直したり、書き直したりする時間的余裕があります。急いで作る必要がないため、より良い内容の遺言書を作成することができます。
より早期の作成が必要なケース
ただし、家族状況によってはより早期の作成をお勧めする場合もあります。
再婚されている方 前妻・前夫との間にお子様がいる場合、現在の配偶者と前の配偶者との子どもとの間で相続関係が複雑になります。このような場合は、年齢に関わらず早めの遺言書作成が重要です。
お子様がいらっしゃらないご夫婦 お子様がいない場合、配偶者と親、または配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。配偶者に全財産を相続させたい場合は、遺言書が必要不可欠です。
事業を営まれている方 事業承継は複雑な問題を含むため、後継者が決まった段階で早めに遺言書を作成し、事業の継続性を確保することが重要です。
遺言書は何度でも書き直し可能

「まだ状況が変わるかもしれない」という理由で作成を躊躇される方もいらっしゃいますが、遺言書は一度作成した後も、状況の変化に応じて何度でも書き直すことができます。
家族構成の変化、財産状況の変化、気持ちの変化など、どのような理由でも自由に内容を変更することが可能です。「とりあえず現時点での想いを形にしておく」という考え方で、まずは作成してみることが大切です。
「まだ早い」という思い込みのリスク

「まだ元気だから」「もう少し年を取ってから」という考えで先延ばしにすることには、大きなリスクが伴います。
認知症などによる判断能力の低下 遺言書は、本人の判断能力がしっかりしている時でないと作成できません。認知症などで判断能力が低下してしまうと、もう遺言書を作ることはできなくなってしまいます。
突発的な病気や事故 健康に自信があっても、突発的な病気や事故により、意識を失ったり、判断能力が低下したりする可能性は誰にでもあります。
家族関係の複雑化 時間が経つほど、家族関係は複雑になる可能性があります。早めに作成しておくことで、シンプルな状況での判断を残すことができます。
先延ばしにすると思わぬ問題が発生することがありますので、遺言書について考えたのであれば、一度無料相談などで話をしてみてはいかがでしょうか。
アルファの相続では気軽に何でも相談できる関係性を大事にしています。問題や課題ややることが明確でなくともお気軽にご連絡ください。

60歳を超えたら考えてみる
まずは「60歳を超えて一息ついたら、遺言書のことを考えてみる」という気持ちで、検討を始めていただければと思います。
完璧な内容である必要はありません。現時点での想いや希望を形にすることから始めて、必要に応じて内容を見直していけば良いのです。大切なのは、「いつかやらなければ」と思いながら先延ばしにするのではなく、適切なタイミングで第一歩を踏み出すことです。
まとめ

遺言書作成に「早すぎる」ということはありません。むしろ、健康で判断力がしっかりしている時期に、時間的余裕を持って作成することが理想的です。
アルファの相続では、お客様の年齢や状況に関わらず、遺言書作成をサポートいたします。初回相談は無料ですので、「そろそろ遺言書を考えてみようかな」と思われた方は、お気軽にお問い合わせください。
大切な家族のために、そして安心できる将来のために、今から準備を始めませんか。
関連記事
第1回:遺言書とは?遺書との違いと現代における必要性
第2回:自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリット完全解説
第3回:遺言書を作成すべき人の特徴チェックリスト
第4回:遺言書作成でよくある残念な失敗事例と対策
第5回:公正証書遺言作成の流れと期間