- 投稿日:2025年08月14日
- 最終更新日:2025年08月14日
【遺言書の専門家が回答】「財産が少ないから遺言書は不要」は本当?少額相続こそ要注意な理由|アルファの相続

「うちは大した財産もないから、遺言書なんて必要ない」このような言葉を、相続相談の現場で本当によく耳にします。確かに、遺言書というと資産家や富裕層のためのものというイメージがあるかもしれません。しかし、相続の専門家として1,500件以上の案件を手掛けてきた経験から申し上げると、実は財産が少ないケースほど深刻なトラブルに発展しやすいのです。今回は、なぜ「少額相続」こそ遺言書が重要なのか、詳しく解説します。
【Q】うちは財産といっても自宅と少しの預金だけです。こんな少額でも遺言書は必要でしょうか?
【A】実は「財産が少ない」場合でも、遺言書が重要になることがあります。特に不動産が含まれる場合は分けにくく、トラブルになりやすいのです。また、遺言書があることで相続手続きが大幅に簡略化されるというメリットもあります。
なぜ少額相続でも遺言書が必要なのか

財産が少ない場合でも、その内容によっては相続時に問題が生じやすくなります。特に、財産の中に不動産が含まれている場合、預貯金のように簡単に分割することができません。例えば、相続財産が自宅不動産と少額の預金で構成されている場合、相続人が複数いると公平な分割が困難になります。
不動産を共有名義にすることは可能ですが、将来的な管理や処分の際に全員の同意が必要となり、実務上大きな問題となることが多いのです。また、親と同居していた相続人と別居していた相続人との間で、自宅の相続を巡って対立が生じることも少なくありません。
遺言書がもたらす手続きの簡略化

財産額に関わらず、遺言書があることで相続手続きは大幅に簡略化されます。遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、全員の実印と印鑑証明書を揃える必要があります。相続人が遠方に住んでいたり、疎遠になっていたりする場合、この手続きだけでも大きな負担となります。
一方、遺言書があれば、基本的にはその内容に従って手続きを進めることができます。特に公正証書遺言の場合は検認手続きも不要で、すぐに金融機関での解約手続きや不動産の名義変更に着手できます。これは、残された家族にとって精神的・時間的な負担の大幅な軽減につながります。
遺言書作成方式の選択

財産額や家族構成による選択の目安として、財産が比較的シンプルで少額の場合は法務局保管制度の利用も選択肢となります。しかし、ある程度まとまった財産がある場合や複雑な家族関係がある場合は、公正証書遺言が適しています。
重要なのは、財産の額ではなく、その構成と家族関係を総合的に考慮することです。自宅不動産が主な財産である場合、相続人間の関係性に配慮した遺言書の作成が、将来のトラブル防止に大きく貢献します。
アルファの相続では家族関係の状況、相続後の遺族のより良い関係性などを踏まえて、遺言書の作成をポートすることを大事にしています。

専門家からのアドバイス

1,500件以上の相続案件を通じて蓄積した経験から言えることは、トラブルの多くは「想定外」から生じるということです。生前は仲の良かった家族でも、相続という場面では予期しない対立が生じることがあります。
特に、財産が少ない場合は「これくらいなら話し合いで解決できるだろう」という油断が、かえって深刻な争いを招くことがあります。遺言書は、そのような「想定外」を防ぐための重要なツールなのです。
遺言書の作成は、財産の多寡にかかわらず、家族への思いやりの表れです。特に分けにくい財産構成の場合は、あなたの意思を明確に示すことで、残された家族の負担を大きく軽減することができます。
江東区の安心の相続はアルファの相続

「財産が少ないから遺言書は不要」という考えは誤解です。むしろ、財産が少なく、特に不動産が中心の場合こそ、遺言書の必要性は高まります。
遺言書は「家族への最後の贈り物」ともいえる重要な文書です。大切な家族が困らないよう、確実で安全な方法を選択することが、何よりも重要だと考えています。
どの遺言書作成方式を選ぶにしても、専門家のアドバイスを受けることで、より良い選択ができるでしょう。アルファ行政書士事務所では、お客様一人ひとりの状況に最適な遺言書作成方式をご提案いたします。
初回相談は無料で承っております。遺言書作成方式の選択でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。あなたの状況に最適な選択肢を、専門家の視点からご提案いたします。
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