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専門家によるコラム

  • 投稿日:2025年07月10日
  • 最終更新日:2025年07月11日

[相続事例]遺言書で実現した、生前お世話になった姉への遺産相続|アルファの相続

アルファの相続
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[相続事例]遺言書で実現した、生前お世話になった姉への遺産相続|アルファの相続

相続手続きにおいて、遺言書の有無は残された家族の負担を大きく左右します。

遺言書がなければ、法律で定められた法定相続人が遺産を分割するため、ご本人の意思は反映されません。一方遺言書があれば自分の想いに合った相続が実現ができ、また残された家族の争いを防ぐことが期待できます。

今回ご紹介するのは、70代前半の男性からいただいたご相談事例です。
末期がんで余命宣告を受けた独身男性が、日頃お世話になっていたお姉様に全財産を残すため、公正証書遺言を作成された事例です。

もし遺言書がなければ、7名以上の相続人による複雑な遺産分割協議が必要となり、手続きに膨大な時間と労力がかかっていたと考えられます。

この事例は、そのような複雑かつ期限のある状況で、アルファの相続が丁寧かつ迅速にお客様のヒアリングと遺言書の作成をおこなった事例です。

相続や遺言書に関心のある方はぜひともご覧ください。

相談者の状況と遺言書作成への流れ

ご相談いただいた男性は、70代前半で東京都内にお一人でお住まいでした。

不動産や預貯金などの財産をお持ちでしたが、独身で奥様もお子様もいらっしゃいませんでした。

最も悩まれていたのは、ご自身の財産の行き先についてでした。ご両親は既に他界されており、配偶者も子供もいない状況で、このまま何も準備をしなければ、法定相続人である兄弟姉妹に財産が分割されることになります。

法定相続人と代襲相続とは

法定相続人とは、民法で定められた相続する権利を持つ人のことです。相続順位は、第一順位が子供、第二順位が両親、第三順位が兄弟姉妹となります。また、代襲相続とは、本来の相続人が被相続人より先に亡くなっている場合、その子供が相続権を引き継ぐ制度です。

相談者には4人の兄弟姉妹がいらっしゃいましたが、そのうち2人は既に亡くなっており、その子供たち(甥・姪)がそれぞれ3人ずついました。つまり、生存している兄弟2名と、亡くなった兄弟の子供6名の合計8名が相続人となる状況でした。

しかし、お話を伺うと、相談者は相続に際してお姉様に遺産を残したいという想いがありました。長年にわたり、何かと気にかけ、面倒を見てくださっていたお姉様に、感謝の気持ちを込めて全財産を残したいというご希望をお持ちでした。

そして何より切迫していたのは、末期がんでステージ4、余命は半年程度という診断を受けていたことでした。限られた時間の中で、確実にご自身の意思を実現する必要がありました。

初回相談から遺言書作成の方針決定まで

初回のご相談では、まず相談者の現在の状況を詳しくお聞きしました。財産の内容、家族構成、そして最も重要な「誰に何を相続させたいか」というご意向を丁寧に確認していきました。

相談者のご希望は明確でした。「子供も奥様もいない。お姉様にすべてを託したい」というものでした。しかし、遺言書を作らなければ、この想いは実現できず、8名の相続人による遺産分割協議が必要になってしまいます。

相談者のご意向を受け、公正証書遺言を作成することになりました。

公正証書遺言とは

公正証書遺言は、公証役場で公証人の面前で作成する遺言書です。公証人という法律の専門家が作成に関与するため、形式的な不備により無効となるリスクがなく、原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんの心配もありません。自筆証書遺言と比べて費用はかかりますが、最も確実な遺言方法です。

遺言書の形式については、自筆証書遺言と公正証書遺言の選択肢がありますが、今回のケースでは公正証書遺言を選択することになりました。相続人が多数おり、特定の一人に全財産を相続させるという内容であることから、後日のトラブルを防ぐためにも、最も確実な公正証書遺言が適切と判断しました。

公証役場での手続きと遺言執行者の指定

遺言書の内容が固まった後は、公証役場との調整を開始しました。まず、相談者の財産目録を作成し、遺言書の文案を準備しました。お姉様に全財産を相続させるという内容を、法的に確実な形で表現する必要がありました。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するための手続きを行う責任者のことです。遺言執行者が指定されていれば、相続人全員の協力を得ることなく、単独で預貯金の解約や不動産の名義変更などの手続きを進めることができます。これにより、相続手続きが大幅に簡略化されます。

この際、特に重要だったのが遺言執行者の指定です。遺言執行者がいれば、8名の相続人から実印や印鑑証明書を集める必要がなくなり、手続きを円滑に進めることができます。

病状を考慮し、通常より迅速な対応を心がけました。公証役場との事前調整を効率的に進め、必要書類も速やかに準備しました。公証人との面談日程も優先的に調整していただき、約1ヶ月から1ヶ月半という期間で公正証書遺言を完成させることができました。

作成当日は、公証役場で公証人の面前で遺言内容を確認し、署名捺印を行いました。これにより、相談者の「お姉様に全財産を残す」という意思が、法的に確実な形で記録されました。

相続発生後の手続きとお姉様の反応

遺言書作成から程なくして、相談者は亡くなられました。その後、遺言執行者として指定された者が、遺言書に基づいて相続手続きを開始しました。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合って決めることです。全員の合意が必要で、一人でも反対すれば成立しません。相続人が多数いる場合や疎遠な親族がいる場合は、協議が長期化することがよくあります。

もし遺言書がなければ、8名の相続人全員で遺産分割協議を行う必要がありました。疎遠な親族への連絡、協議の調整、意見の相違への対応など、想像するだけでも困難な作業となっていたでしょう。

しかし、公正証書遺言と遺言執行者の指定により、手続きは円滑に進みました。預貯金の解約、不動産の名義変更など、すべての手続きを遺言執行者が単独で進めることができたのです。

お姉様は、手続き完了後に次のような感想を述べられました。「もし遺言書を作っていなかったら、他の兄弟やその子供たちとも協議しなければならなかったと思うと、どれだけ手続きに時間がかかったか分かりません。弟が私のことを考えて、きちんと遺言書を残してくれたことに本当に感謝しています」

遺留分とは

遺留分とは、一定の相続人に最低限保障される相続分のことです。配偶者、子供、両親には遺留分がありますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。そのため、兄弟姉妹が相続人の場合は、遺言により全財産を特定の人に残すことが可能です。

実は、兄弟姉妹には遺留分がないため、他の相続人から遺留分を請求される心配もありませんでした。現在まで、他の兄弟や甥・姪から特に異議は出ていないとのことです。

専門家が考える本事例のポイント

本事例から学ぶべきポイントは、遺言書の作成は単なる財産分けの手続きではなく、大切な人への想いを確実に伝える手段であるということです。

特に独身で子供がいない方の場合、法定相続人が予想以上に多くなることがあります。兄弟姉妹が相続人となる場合、既に亡くなっている兄弟の子供(甥・姪)も代襲相続により相続人となるため、相続関係が複雑化しやすいのです。

また、病気などで時間的制約がある場合でも、適切な専門家のサポートがあれば、短期間で確実な遺言書を作成することが可能です。今回は約1ヶ月半で公正証書遺言を完成させることができました。

遺言執行者の指定も重要なポイントです。これにより、相続発生後の手続きが大幅に簡略化され、遺言者の意思を確実に実現することができます。

類似ケースでお悩みの方へのアドバイス

独身の方、子供のいない方で、特定の人に財産を残したいという希望がある場合は、遺言書の作成を検討されることをお勧めします。「まだ元気だから」と先延ばしにせず、判断能力が十分なうちに準備を進めることが大切です。

遺言書は一度作成すれば終わりではなく、状況の変化に応じて書き直すことも可能です。まずは現時点での意思を形にしておくことが重要です。

公正証書遺言の作成には、戸籍謄本や財産に関する書類など、様々な準備が必要です。専門家のサポートを受けることで、これらの手続きを効率的に進めることができます。

まとめ:江東区の相続、遺言書作成はアルファの相続に

今回ご紹介した事例では、末期がんという限られた時間の中で、公正証書遺言の作成により、相談者の「お世話になったお姉様に全財産を残したい」という想いを実現することができました。

8名もの法定相続人がいる複雑な状況でしたが、適切な遺言書の作成により、お姉様への円満な財産承継が可能となりました。お姉様からも「弟の想いがきちんと形になって本当によかった」との言葉をいただいています。

相続は誰もが直面する可能性のある問題です。特に家族構成が複雑な方や、特定の人に財産を残したいという希望がある方は、早めの対策をお勧めします。

江東区での相続・遺言に関するお悩みがございましたら、地域密着型のアルファ行政書士事務所にお気軽にご相談ください。

お客様一人ひとりの状況に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。

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